ブログの筆者：ほわほわ
ある日のこと。
ほわほわは父と電車の旅に出た。
電車の旅といえば景色。
ほわほわ父子は4人席の窓際を確保し、発車時刻になるのを待っていた。
しばらくすると、夫婦が尋ねてきた。
ここ、座ってもいいですか？
“どうぞ〜”
“ありがとうございます”
そうして、同じ4人席に座ることになった。
まもなくして電車は発車。
きれいな景色が目に映り込んできた。
大きな窓に空と畑一色。
きれいだなぁ、のほほんとしてる。
天気予報では雨のようだったが、期待は嬉しい方向に外れ、快晴だった。
電車旅はいいなぁ〜
早速旅を満喫していると、何かがこちらへ近づいてくる音がした。
ﾌﾞｰｰｰﾝ...
ん？ハエ...なのか？
いや、違う...
これは蚊だ！！
早急に潰さねば血を吸われるぞ！
最初に格闘したのは隣の奥さん。
そして、今度はほわほわの元へやって来た。
おりゃあ！ふんっ！！
手や足で攻撃を試みるも、なかなか倒せない。
次に向かったのはほわほわパパの方だ。
ほわほわパパは俊敏だ。
しかし、それでも相手は手強かった。
最後に蚊は対面の旦那さんの方へ向かった。
その方は優しそうなお顔立ちでとても生き物を殺せそうには見えない。
蚊はその旦那さんの開いていた手の中に吸い込まれるように進んでいき、旦那さんはそれを優しく包み込んだ。
あ.....
みんなの注目が一気にその手に集まった。
蚊はどうなったのか。
まだ手は開かない。
みんな手の中が気になって仕方がない。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
いつ手を開くのか。
まだ手は開かない。
その旦那さんは周囲を見回し、握ったまま嬉しそうにニコニコしている。
どのくらい時間が経っただろうか。
いよいよその時がやって来た。
観衆は息を飲んだ。
ゆっくり手を広げると...
そこには潰れた蚊がいた。
旦那さんはみんなのヒーローになった。
みんな蚊に刺されずに済んだのだ。
あんたどうすんの〜？
笑いながら奥さんはティッシュを差し出した。
ほわほわとほわほわパパはヒーローにお礼を言った。
なんともシュールな展開だ。
まだ旅の序盤だったが、ラブストーリーは突然に ならぬ トラベルストーリーは突然に 起こった。
（完）
最後まで読んで下さり、ありがとうございました🐥
